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どるとるの部屋


[3399] 月とロケット
詩人:どるとる [投票][編集]


いつか 月を目指して旅に出たい
そして月面から地球を見てみたい

そしたら僕が悩んでることもきっとくだらないことなんだって気づくこともたやすいだろう

ロケットがあれば

空振りの僕の渾身の一振り
冴えぬ日々と似た景色
短絡的で凡庸な言葉の中に
優しさと愛を詰め込んで
記憶にかかったモザイクを取り払えば
見えるよ 君の笑顔
忘れていた 温もり

いつか 地球を出て
ロケットに乗って
誰でも月に行ける時代になったら

僕は月を目指して
ひとりきり 旅立つよ

悲しみ喜び繰り返す
他愛もない会話
ああだこうだ 言っているあの人のくだらなさといったら果てがない

どっちつかずの僕の気持ちは振り子だ
揺れてばかりで落ち着きのない心
言葉を返すように
言葉にしてみたんだけれど うまく届かず途中でパタリと落ちた

張りぼてのロケットを つくったけど
そんなんじゃ
飛び立てない

逃避行したい

現実から逃げ出せる
ロケットがあれば

空振りの僕の渾身の一振り
冴えぬ日々と似た景色
短絡的で凡庸な言葉の中に
優しさと愛を詰め込んで
記憶にかかったモザイクを取り払えば
見えるよ 君の笑顔
忘れていた 温もり

そして輝いた
日々

僕の 僕だけの月の恋人

今でも同じように
誰よりも 輝いている
あの頃よりずっと
輝いている。

2011/11/19 (Sat)

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