詩人:どるとる | [投票][編集] |
日々ほころんでゆく 時の中で 僕らは生きていく
たとえるなら毛糸玉ひとつぶんの人生
泣いたり笑ったり
時には怒ったり
失敗したりする
生きていく意味や
理由などはいくらでもこじつけられるさ
どうだっていい
仏様も神様もいないこの世界じゃ 自分自身だけが 地図なんだ
絶え間なく 行き交う人の群れの中に 何を求めても 振り返る人は少ない
優しさも愛も そのうち死語になってしまいそうで 悲しさだけがさまようだけ
それでも僕らは 思ってしまうんだ
どうして僕らはここにいるんだ?
僕らはどうして生きてる?
僕らはどうして生まれたんだ?
わからない
わからないから
とりあえず みんなのまねをして 与えられた時間の中 流れに乗るようにして 生きている
実像と虚像が入り交じるとき 真実と嘘の判別ができなくなる
僕は嘘なのか
本当なのか
何ひとつわからない
ほつれた糸を 縫い合わせ 穴を埋めるように 僕の心は何度でも縫っても縫っても
ほつれてしまうよ
日々人が入れ替わり
立ち替わり 生まれたり死んだりする世界の中で 僕も同じ運命をたどるんだ
さあ 幸せとは 一体どんなことをいうのか?
YESかNOで答えなさいと言われても難しいから白と黒の中間の灰色と答えるよ
曖昧な世界のすべてをそのからくりを
持ち出せば 何も言い返せず僕も責められることはない
最初からわかっていたんだ
まほろばのように
跡形もなくなってしまうまではきっと僕も君もお互いの存在の明確さを 維持できるだろう
幻の隣寄り添うように 僕は 昨日の記憶を信じて また今日も昨日の僕のように生きる
それがすべてだと。