詩人:どるとる | [投票][編集] |
押しては引いてゆく
波のような 書き留めるまでもない時間が
今日も沖の向こうへと静かに消えていく
波打ち際の波もおだやかな気持ちに もどれば
優しく微笑んで
あなたの傍で
たゆたうように流れるだろう
ああ 夕暮れ 黄昏
カラスが二、三羽飛んでいる
かなしいことなんかじゃない
かなしいことなんかじゃない
生きることは
かなしいことだけじゃない
かなしいことだけじゃない
生きることは
生きていればこそ
喜びは消えない
悲しみも同じだとしても
生まれたからこそ
こうして笑ってる
笑っていられる
涙さえ 愛しくなる
答えはいつも草の影に 木陰で鳴く虫たちの声に
気づかされるものなんだよ
街の雑踏の中に
数万数億の靴音の中に
そっと揺れるその人だけの生き様の中に
宿るものなんだよ
繰り返し繰り返し巻き戻して再生しよう
あの日感じたときめきやあの日感じたきらめきを忘れぬように愛も優しさも憎しみも悲しみも淋しさも隠さずに ちゃんと絵に描いてごらん
君のタッチで描いてごらん
リピートすればわかるだろう
悲しいほどに流れてく 時間が無意味に消し去るとでも?
それは大きな間違いさ
僕らが生きる意味なんて僕ら自身が決めるんだ
神様はいない
そうさ
だから僕らがかわりに神様を名乗る
たとえば何もない
殺風景な部屋の中
涙を流したり
愛しあったり
笑いあったり
今日も明日も巻き戻したように同じ流れで始めます
昨日と明日のはざまにいます
生きる意味や理由なんて 考えることさえくだらない
ただ僕はあなたといたいだけ お湯がわくように何ら不思議なことではない
でも当たり前とも思わない
今日の君のぬくもりが明日も続きますように 窓辺にたち空の星に願う
あなたを好きな今日の僕が明日もあなたを好きな僕のままでいられるように
ただ同じことを繰り返すだけ
また同じ場面まで巻き戻す。