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どるとるの部屋


[3479] さよならの向こう側
詩人:どるとる [投票][編集]


想い出はいつも
振り返ると
切なくて
胸がむしょうに痛くなる

優しすぎたんだね
愛しすぎたんだね
だから
つまずいてしまったんだよね

やがて夜が二人の心に やって来て
星さえもない夜空にたださよならの言葉だけが聞こえる

さよならの向こう側に行ったことはあるかい?
さみしいだけさ
悲しいだけさ

愛のない 部屋に灯る明かりは なんて 悲しげに見えるんだろうね
あの日のさよならが忘れられない
まだ胸の中に
とめどなく愛があふれている

昨日への憧れが
捨てきれない
過去はまぶしすぎて
いつでも 幸せだったあの日に
帰りたくなくなるんだ

部屋中に飾った二人の写真は あんなにもあんなにも 幸せに満ちあふれていたのに
一体誰がこんな結末を 知ることができたのだろう

さよならの向こう側に行ったことはあるかい?
さみしいだけさ
悲しいだけさ

愛のない 部屋に灯る明かりは なんて 悲しげに見えるんだろうね
あの日のさよならが忘れられない
まだ胸の中に
とめどなく愛があふれている

気づかないあいだに
明日が生まれている

知らないあいだに
終点にもうすでに
たどり着いている

注がれた グラスの中の24時間を すべて飲み干している

さよならの向こう側には幸せはあるかい?
きっと無いだろうね
だけどあの日にはもう帰れない

目を閉じてみれば
君の笑顔だけが
今も僕の影を探しているようで たまらなく胸がしめつけられる

さよならの向こう側に旅立った君の後ろ姿は夕暮れのように
ただどこまでも
残された僕を
見守るように
微笑むだけ

あのさよならの言葉さえ 僕にはね
愛の言葉にさえ聞こえたんだよ。

2011/12/05 (Mon)

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