詩人:どるとる | [投票][編集] |
あなたを見つめる
そのまなざしは
たとえば
愛する人のまなざし
愛すべき家族のまなざし
信頼する友のまなざし
すべての人とは仲良くできなくても
きっとどこかで
心繋がる場面があるんだよ
そんなに人を憎んでばかりして生きることはない
信用なんか100%できるわけもない
疑うこともまた同じ
いつの間にか自分と他人の境目に聳え立った見えない壁
風にはこばれてゆく
僕らの命はまるで一枚の葉っぱ
青々した若葉から
色づく時代を生き
やがて枯れ衰えて
枝から散り落ち葉になり 土に還ってく
誰かのまなざし
僕や君を見つめる誰かの瞳
ただ目と目で見つめ合えば
憎しみも怒りも苛立ちも
ばかばかしいことに
思えるほど 優しさに触れて気づく時がある
僕らはこんなにも愛されて 見守られているんだ
愛すべき家族、
親しい友、
いつも傍にいてくれる人、
僕を生み育ててくれたこの街へ捧ぐ
まなざしはすべての人の心にまんべんなく注がれていく
瞼閉じるかわりに心の瞳を開けて そこに見えたものに感謝と敬愛の言葉を贈ろう
まなざしはすべての人の心へ順繰りと向けられていく
閉じた瞼の裏に浮かんだのは いつも眩しいあなたの笑顔と陽射しのようにそっと包み込むようなまなざし
誰かのまなざしにふと気づくとき
同時に大事なものに
気づく そんな時がある
あなたを見つめるそのまなざしは
痛いまなざしばかりじゃない筈だ
きっとあなたを愛するがゆえの厳しさも込められているから多少尖ってはいるけれど
ほらあなたが傷ついたとき 深く悲しみに沈んだとき
あなたに向けられたそのまなざしは言葉以上の何かであなたを励ましたり慰めたりするでしょう
ほら 僕も君もそんなまなざしに救われてる
1人にひとつずつ与えられた命を 落とさぬように大事に抱えて歩く日々
まなざしの雨や陽射しが降る
今日もあなたの傍に。