ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 拝啓、天国にいるばあちゃんへ

どるとるの部屋


[3504] 拝啓、天国にいるばあちゃんへ
詩人:どるとる [投票][編集]


ああ 僕より何年も何十年も 長く生きている僕のおばあちゃん

いろんな事を知っている物知りなおばあちゃん
だけど早くにおじいちゃんに先立たれたから 少しかわいそうな僕のおばあちゃん

いつも いつも
父や母から怒られたとき 誰より味方をしてくれた僕のおばあちゃん

言いたいことは 言えないまま
助けられてばかりで恩も返せずにこんなに歳を重ねたけど幸せだよ

天国にいる 今ではもう伝えることがかなわないけれど
もしも天国に郵便が届けられるなら
一言だけでいいから
伝えたい

ありがとう、ごめんね

もう 言葉は何もきっと必要ないんだね
涙ぐんだあの日
あなたとお別れした日

ああ 世界でまたひとつ大事なものを失った
だけどあなたなら
きっと 大事なものはいつでもここにあるのって胸をたたいて
笑うのでしょう

郵便ポストに 投函し続けた あなたへの手紙は いつもかえってくるけれど
それでも届けるのさ
天国にいるあなたへ
伝え忘れた言葉があるからさ、ねえおばあちゃん

言いたいことは 言えないまま
助けられてばかりで恩も返せずにこんなに歳を重ねたけど幸せだよ

天国にいる 今ではもう伝えることがかなわないけれど
もしも天国に郵便が届けられるなら
一言だけでいいから
伝えたい

ありがとう、ごめんね

それでもピアノを弾くように きれいな思い出だから
あなたがくれたあの言葉を忘れないさ
いつまでも
いつまでも

だから今は これだけ

ありがとうだけ伝えたい

拝啓、天国にいるおばあちゃんへ

あなたが いたから
楽しかったよ

輝く日々をありがとう

ごめんねは 僕が死んだあとで言いに行くから

拝啓、天国にいるおばあちゃん

その後どうですか?

草々

2011/12/10 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -