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どるとるの部屋


[3583] 理想と現実
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


理想と現実の間には容易には越えられない壁がある

その壁を越えたとき
理想は理想ではなく
紛れもない現実になる

理想は語るだけでは越えられない壁だが
理想が現実に変われば壁の向こう側へも行けてしまえる

理想は理想
現実は現実
割り切れる人
割り切れない人
見つめる世界は同じでも考え方が違うだけで 世の中は腐っても見えるし輝いても見える

万人の瞳に映る世界はそれぞれ違うから
理想の形も人それぞれだ

人は自分の理想的な世界をいつも世の中に重ねるけれど
理想は理想でしかなく 現実は理想とは重ならない

だからこそ人はたくさんの色とりどりの夢を見る

無謀だろうと大げさだろうと
現実だけでは あまりにもつまらない

理想と現実の間に見る 壁には努力の爪痕がくっきりと刻まれている

叶わぬ夢と知ったあとでは 最早理想は理想でしかなくなってしまう

だけれど人はそれでも夢を見続ける

現実を受け止めるにはあまりに 厳しい結果に なってしまう時がある

だからこそ人は現実から目をそらす

そらした視界の先に
届かない理想を映して 理想に理想を重ねて 何度でもうつろな夢を見る

理想と現実の間に佇んで 越えるべき壁が越えられない壁になってしまった現実を理想で隠すように。

2012/01/06 (Fri)

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