詩人:どるとる | [投票][編集] |
亀はゆっくり進むよ
限られた人生を
急ぐことなく
ゆっくり生きるよ
僕ら人間が生き急ぐそばで
街はだんだん変わってゆくよ
都会は あちこち 毎日のように工事をしているよ
新しいように
きれいなように
何かを 塗りつぶすように
誰かとすれ違っても挨拶もしない人ばかり 思えばこの僕もその中の一人かも
だけど それでも 何かを見つめてるんだ
流れてく風の音
耳をすまして つかまえる
生きるとは
歩くこと
食べること
眠ること
そのすべてが
生きること
失敗も過ちも
その中に
入るのかな
でもね
生きるというだけで
本当にたいへんなんだ
息を吸い吐き出すばかりじゃ生きるとはいえないから
もうすぐ雨の降ってきたそうな空の色
傘を忘れた 僕は 急に駆け足になる
だけど 人生は いついかなる時も 悲しみは 予測できないから
身を守るすべもなく
人は悲しみに濡れる
だから 時には誰かにすがりつきたい時がある
それがたとえば大好きな人ならば素敵だね
季節が 音もなく 訪れては また 静かに
過ぎ去ってゆく
生きるとは
泣くこと
笑うこと
しゃべること
怒ること
思いやること
そのすべてが
すべて生きること
そして生きる人は皆
生きる人と生きる人の中で生きる人になる
星の数ほどの街の人ごみの中
愛を忘れた人が歌う
ただ悲しいだけのブルースは 僕には勇気のうたにきこえたんだ
生きる勇気をくれたんだ。