詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
切っても切っても
また生えてくる
不思議な不思議な
とかげのしっぽ
それはまるで
僕らの日々みたい
過ぎても過ぎても
また同じ今日が
やって来る
それでもいつかは
誰もがあの空の上
神様になるんだな
とかげのしっぽみたいな命だけど
根元をたたれたらあとがない 命がない
ああ永遠なんてなかったんだなと気づいた時から僕の命には限りが決まったよう
それを知らなければ
とかげのしっぽみたいにいつまでも永遠を信じていられたのに悲しいな
とかげのしっぽだけが残ったって命が消えたら 話すことも笑うこともできないから
いっそ跡形もなくなくなって 空の上で優雅に暮らそう
そんなこと思った
昼下がり 雲眺め
自由に憧れた
自由に憧れた
そしてまたとかげのしっぽを切るように1日は終われども
またとかげのしっぽみたいにまた今日がやって来る
くたばるまでは
くたばるまでは
涙とも苦しみとも
おさらばできねえな
悲しいような
うれしいような
不思議な気持ちで
昇る朝陽を見つめていた
動かなくなった 遺影の中で 笑うおじいちゃんもおばあちゃんも 今ではしっぽなどなくても 笑ってる
あの空の上 寄り添いながら しっぽのない永遠の中 笑ってる。