詩人:どるとる | [投票][編集] |
不器用な二人は
愛というものの
意味さえ知らず
手をつないで
とりあえずどこまでも歩いた
歩き出した季節の
一歩は 落とし穴跨いだけど あとすこしのとこで水たまりにはまった
頬を濡らした月曜日
君に慰められたっけ
船を漕ぐように 訪れた週末相も変わらず競馬の予想は浅はかだ
つまらないことに悩んだ若かれし日々
全部まとめてゴミに出そう
思い出と呼ぶには
浅ましいぞ
さよなら 十代
さよなら 二十代
ようこそ はじめまして 三十代
これからはちょっと大変 三十肩に要注意 倦怠期が押し寄せる よけても 降りかかる運命さ
だけどね お世話さま
僕にゃ君がいる
めくるめく 日常のカレンダー 赤と青と黒じゃ足りねえな
七色に染まる 街並み 僕らの心は言い様もない 虫たちだけが知る 未知の色
ああ 予想どおり 競馬ははずれ
金をどぶに流したがそれ以上の価値ある君を手にしたよ
可憐だね 可憐だね
振り向いたその姿
風に凪ぐ 景色の中
そっと 咲いていた
僕のカレンダーの中
まるで最初からそこにいたかのような
そんな そんな
君だから
いまだかつて誓ったことのない愛を誓ったのさ
降り出した雨に
相合い傘で
帰る 月曜日
あの日のように
二人は不器用に
歩き出したんだ
だけどあの頃より
ちょっと
いじらしいほど
心だけ 心だけ
重なった
重なったよ
愛してる
囁くように
言った夜
しようか しようか
しようか 何を?
知ってるのに はぐらかした深夜零時
カレンダーは薄紅色に染まった
そして青春は繰り返す
君が笑うたび 君と手をつなぐたび
老いを感じないほど
若さは心にあり
さあ 愛し合おう
歌うように 自由に
さあ 感じ合おう
痛みさえも なめらかに
カレンダーの中
二人は生きる
時計仕掛けの日々の中 二人は生きる。