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どるとるの部屋


[3734] 透明な午後
詩人:どるとる [投票][編集]


君は君じゃなくて
僕は僕じゃなくて
ただの君と僕さ

なんにもない部屋で
ただ日だまりに横たわり テレビを観る
ただそれだけの午後

変わらないものや
変わってしまう街の景色
悲しかったり
切なかったりする日々
時間はどうしようもなく流れていくから
歳を重ね 時間をかけて僕らは 少しずつ生きる理由を探していく

なんて 透明な午後なんだ 向こう側が透けて見えるよ

本物と偽物 見比べて どちらが白でどちらが黒かなんて決めるのはやめよう

ただ 目の前の幸せに 当たり前のように泣いて笑って それだけでいい

僕は君がいれば それだけでいい

人に自慢できるものなんか何もないや
それでも 君を世界で誰より愛してる気持ちは自慢できるな

何ひとつ 変わらないよ 昔からずっと
多分僕は僕で君は君だ
嘘もつくし たまには背中向けあう時もある それでもまた寂しさが二人を引きつける いつものことだ

雨上がりの街 虹を探すために 散歩がてら いかがですか?
たまにはいいだろう

ああ 汚れた世界なんだ だから人の心だけはせめて美しくなきゃ

本物と偽物 見比べて どちらが白でどちらが黒かなんて決めるのはやめよう

ただ 目の前の幸せに 当たり前のように泣いて笑って それだけでいい

僕は君がいれば それだけでいい

濁って見えるのはきっとそれだけ この世界が汚いからだろうけど それでもそんな世界で透明なものは たくさんある

ふとした瞬間 生まれる笑顔ややさしさが
濁った世界に 美しさを取り戻してくれる。

2012/02/26 (Sun)

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