山を旅する旅人が岩に腰掛け一休みふいに見上げた 山の頂 大きな影が 我ぞ見上げる世にも不思議見上げるほどに背が伸びる 果ては空を覆うほど巨大思い出したる噂のなかに 祝詞にも似た言霊在り「見上げ入道 見越した」と三べん唱えりゃ忽ちのうちに影消えりそれが世に聞く 妖の大将名高き 見上げ入道。
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