詩人:どるとる | [投票][編集] |
種も仕掛けもないけれど
僕らは不思議の塊です
神も仏もないけれど
僕らは奇跡の賜物です
この街に生まれた
小さな命が紡ぐ物語
明日もつづいていく
何が悲しくて
何が嬉しいのか
そんなことさえも
もうどうでもいいよ
ただ僕は僕として
誰かを愛したり
誰かに愛されたり
したいだけだ
夢も希望もないけれど
僕らは未来の担い手です
宛てもしるべもないけれど
僕らは見えない地図描き
種も仕掛けもないけれど
魔法のようにあらわれて消えていきます
痛みのない悲しみや
不安のない毎日に
喜びは生まれない
悲しみがあるから
次の喜びのために
勇気を出して
歩き出せるんだ
種も仕掛けもないけれど
僕らは謎めいた生き物です
種や仕掛けがなくたって
僕らは奇跡を起こしたよ
手品のように 種や仕掛けがあるわけじゃないから
きっと僕らの存在って つまらない生物学で片づけられてしまうけれど
それぞれの中にある不思議や
それぞれが抱える喜びや悲しみ
それだけでもわからないことだらけだ
種や仕掛けがない代わりに 僕らには常識や科学では紐解けない何かがあるんだね
種も仕掛けもないけれど
今日も日が暮れていく
種も仕掛けもないけれど
時間が押し寄せてくる
そして誰もが終わりの日を迎える
その日までこの旅はつづく
種も仕掛けもないけれど
自分でも不思議なんです
奇跡がまだ 流れてる
奇跡がまだ 残ってる。