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どるとるの部屋


[392] まもり火
詩人:どるとる [投票][編集]


誰かが今日も約束を交わす 指切りで
叶うのか叶わないのかはべつとして
約束は交わされる
叶わなくても約束は約束で約束でしかなくて

静かな夜の端っこで人知れず生まれた誰か
その誰かにも約束をとりつけるよ
あなたを一生守り続けると

規則的に並んだ
街灯が揺れる
そんな夜に

僕も約束したよ
君に 愛する君に
それは世界には他愛ない約束
でも僕らには何よりも掛け替えない約束
温かい火を灯そう
心に 心に
静かに灯そうか

それはきっと僕らのこれからを守ってくれる まもり火になるから

ゆらゆら
ガラスの中で
揺れる電球のように
僕らは何か特別でありふれた愛に守られて
明日も今日と何ら変わりなく幸せが続く幸せ かみしめながら生きるのです

さあ 夢の終わりの扉を開いてふたたびはじまる朝に瞼をそっとひらこう
そこにはきっとまばゆいばかりの朝がある
何か特別にただ当たり前に僕らを包み込むよ

目を閉じれば今も
揺らめき燃えてる
まもり火が
ほら 僕らの悲しみやさびしさそっと包んでくれる

これ以上に心強い味方はいないさ。

2009/10/29 (Thu)

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