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どるとるの部屋


[3933] いのちのうた
詩人:どるとる [投票][編集]


命は不思議なもので 生まれた瞬間からなくなる命もあれば
百をゆうに越す長い時間を生きる命もある

それが良いのか悪いのかわからないけれど 生き続けることも苦労が伴うし
早く死ぬのももったいない

やりたいことは沢山あっても面倒なことばかりじゃまをする
したいことは山ほどあっても嫌なことも進んでしなくちゃ生活はままならない

なにが幸せでなにが人にとっていちばんいいのか最近わからなくて 命という漠然としたものに迷いが生じたとき自分自身の存在さえ疑わしく思えた

あらゆる概念に縛られている とらわれている
僕は誰だ?
この時間はなんだ
いつかしかるべき時が来れば僕も音も色もなにもない暗闇の中へ 旅立つのかな
見つめてるずっとずっと先の未来を
嫌なことばかりが思い浮かぶよ
笑うことも最近じゃむなしく思えてる

幾たびも幾たびも
繰り返される朝と夜
何度でも何度でも
笑って 泣いて 傷ついて 傷つけて たどり着く布団の上
窓を開けて 風を感じても ただそこには果てしない空が僕の中の悩みさえちっぽけなものに変えてしまう

ある人は命を自ら投げ出して
ある人は命に制限時間を課せられて
ある人は命を身勝手にたやすく奪う
そんな沢山の命を知ってる

僕は僕の命を うまく唄えずに わけのわからないうちに大人になってしまった

「どうして生きているのかな」
あるはずもないその答えをまだ探し続けている

陽射し差し込む 部屋の中や 絶え間ない人波の中に その答えがあるのならまだまだ僕にも生きる意味はあるのかな
それさえわからない
それでも生きて生きて 生き続けて
やがて全てがなかったことになるのを待つ

もっと笑いたい
もっと幸せになりたい
なぜかわき上がる
くだらないくらい当たり前な気持ち

向き合うべき現実に背を向けている

悲しいほどの毎日なのに僕にはまだ光が残されているようで。

2012/04/19 (Thu)

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