誰の頭の上にも悲しみは等しく降り注ぎ 身をかばう傘もなく心はまともに濡れてしまうよたくさんの人の中に紛れても寒さにふるえる大衆の中の孤独に 不安の色を隠しきれないいつでも傘を忘れた時のあのどうしようもない感じが離れないんだ寄せては返す波の引き際を見計らい 名残惜しい今日との別れを引き延ばそうとするけど 去ってゆく今日の背中には追いつけずいつも置いていかれる記憶の片隅に立てかけられたままのあんぶれら そこにある。
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