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どるとるの部屋


[4021] 雨がやむのを待ちながら
詩人:どるとる [投票][編集]


例えようのないさみしさに 包まれてしまったときは特別な言葉はいらない
人はただ目を閉じて雨がやむのを待つ

心さえも凍えるような寒さに おそわれたときにはへたな慰めはいらない
誰も自分の中の闇と独りきり見つめ合うだけだ

誰かを憎む気持ちや
誰かを怨む気持ちに
負けず 怯まず 脅えずに そこにある自分の悪や見えない愚かさに目をそらさずに 素直にそれを間違いだといえるなら
雨は静かにやんでゆく
そして雲と雲のあいだから光が差すでしょう

悪なる自分を またはその傷跡を 悪だと嫌い 忌むのもそれもまた正しき答え
それでもそんな自分も認めた上で 少しずつその悪を 優しさに変えてゆけたなら
なお素晴らしいとうなずけ

そう例えようのないさみしさに 包まれてしまったときや
心さえも凍えるような寒さに おそわれたときには

雨がやむのを待ちながら 静かに見つめよう 自分の中の綻びや誰かに見せたくない粗や小さな穴を

そして自分は完璧などと片付けず 言い切らず 自分はまだまだつぼみだと 素直にうなずけ

いいんだよ、どこかが欠けていたほうが 誰かに優しくできる
自分に優しくできる。

2012/07/09 (Mon)

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