詩人:どるとる | [投票][編集] |
尽きぬ悩みや迷いに埋もれた 時代の影にさすらうように
男はひとり夕暮れの中笑う
夜明けの中にも黄昏はあって ほら気を抜けば忽ち意識の外であの頃を思う 髪巻き上げるような風が吹く
嗚呼 悩み多きこの時代に 僕は生まれてきてしまったよ
それを 幸せと思うか不幸と思うかで 見える世界が鮮やかにも色あせても見える不思議 胸に灯る
隣り合って 重なり合って 束になって悲しみさえも飲み下す日々
この足が 動くままに 地図は広がり
朝と夜が幾度か繰り返されたあとに 僕はまた今日と同じように笑えるだろうか
今はまだ不安さえ新しくて
悩み多きこの時代に 生まれたことを素直に楽しめずに笑えない
だから言葉ひとつすら濁るのさ。