ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 夏の終わりに

どるとるの部屋


[4200] 夏の終わりに
詩人:どるとる [投票][編集]


遠ざかる夏を 感じ 思うよ 理由のないせつなさを

遠ざかる夏は 残す
誰の心にも 見えない火傷のあとを

青い空 入道雲 みんなで行った海
焼けるような暑い陽射し 夜の花火

肝試し 恋人たちは浜辺をどこまでも歩き
恋のひとつも咲いただろう 何も話せなくても通り過ぎる時間が やけに甘酸っぱくて 明日のふたりを近づけさせたね

夏の終わりは 落ちる線香花火のよう
はじけて飛んでやがてだんだん静かに消えてゆく

あんなにも 暑くてさ みんな 早く夏が終わればいいと思っていたのにね 不思議に夏の終わりが来ると暑ささえ恋しく思うのさ

心に残った 置き忘れたままの 夏の思い出

影はまだ少し残ってる

ほらすぐそば揺れている。

2012/09/01 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -