木よ こたえろ 痛ましいその傷あとが人間の邪悪を刻む木よ 見つめよ 荒みきったこの枯れ野の死と引き換えに 煌びやかに瞬くあのネオンの街の灯火が憎くて たまらないと物言わぬ木よ 物言わぬその寡黙さよ叫べぬ代わりに少しずつ大地はひび割れ 氷は溶けマグマは我らに近づく地球はただ、耐える我らの愚かさを 我ら自身が気づくときまで。
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