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どるとるの部屋


[4392] ネジ
詩人:どるとる [投票][編集]


ネジが一本
足りないよ
そんな世の中に生きている

人を思いやったり
人を気遣うことを
当たり前に思えなきゃ他人への親切にも見返り求めてる浅ましい心がほらはみ出すだろう

新聞の片隅に
毎日のように
おどってる
悲しいニュース
珈琲の湯気で曇るメガネの向こう側
レンズを通して見える景色に 僕はむなしさを見てる

ふとした場面に気づくのさ
誰かの優しさやぬくもりに
心に聞けばわかるんだ 大切なこと大事なこと

水はけの悪い
土だから
いい花が咲くはずはない

だけれど本当は人の心が時代映す鏡なら
人の心が腐ってる
ただそれを時代が映してるだけ

ネジが一本
足りないよ
そんな世の中に生きている

笑顔がちっとも
浮かんでこない
そんな毎日を生きている

うつろな眼差し浮かべて 空を飛ぶ鳥を見ていたよ
窓の向こうの憧れといまだ抱える悩みとか
小さなプライド捨てられず 殻にこもったかたつむり
一人さみしく唄っては夕暮れの道に佇んで

自分の心がわからずに
僕は僕を疑った
ネジの足りない僕だけど

あなたを思うと
少しだけ
こんな世の中でも
たのしく笑って生きられる

おとずれた夜に
さみしさを抱えて
ひとり歌ってる
きっといつかの
僕とは違う
愛という名前の
ネジを回して
僕は夜明けへと動く
小さな小さな玩具

優しく 愛して
そっと 見守って

君の笑顔が
もっと見たいんだ。

2012/11/08 (Thu)

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