詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつもと何ひとつ
変わらずに今日も嫌みなくらい予定通り進んだよ
背高のっぽの街灯がはかなげに揺れてる
すべての人の帰り道を胸にひそめたそれぞれの傷跡まで照らすように
闇に包まれた夜の道端で見つけた光は果たして信じていいものか
見えないもの
見えるもの
つかめるもの
つかめないもの
そのふたつの違いが時々わからなくなる
それでも僕はただ今ここにあるものだけを信じていたいだけ
たとえば君なんかもその中のひとつなのさ
今僕が見つめてるものは見つめるべきものだとは限らないけれど見つめたいから見つめてるんだ
答の信頼性をいちいち計算してたら頭が痛くなるだけだ
それなら僕は騙されながらも生きていきたい雨に降られて降られて
傷つくことを
傷つけることを
罪だと思うその心が僕の中でだんだん受け入れる体制が整いつつあるんだ
それもまた人生を生きてきたことで手に入れた免疫力みたいなものなのかな
いまここにある世界に問います
僕は今たしかに生きているのですよね?
きっと世界はあたりまえだと言うだろう
そう たしかに僕は悲しいくらい今を生きているのさ
この世界は本当で
僕の存在も本当で
見えるもののすべては紛れない真実で
ただその中で滑稽なものだけが嘘やおかしなことだと見なされる
そんな世界の正しさの中にひそむ間違い
今 探せば簡単に見つかるだろう
見えているもの
見えなくても見えるもの
僕は見ている
紛れない間違いとその闇を
光の行き届かない世界の話。