詩人:どるとる | [投票][編集] |
深い海 深海にも都市が広がり それぞれの暮らしがある
青い海 魚のように口を開けながら 餌を頬張る人の暮らしが
ここには幸せが
ここには悲しみが
波紋を広げて
やがてたどり着く
岸辺までは
深海何万メートルまでつづくいくつもの人々の記録
DNAが伝える かつての誰かの癖や仕草
短い生涯を閉じても何かまだわかることがある
深海の暮らしは
僕らの今に通じる
何万何億という
重みのある
時の果てに今
僕らはいて
これからも
そんな時の繰り返しがつづいていく
今はまだ世界の旅の途中 だけれど僕らはそんな世界の切れ端さえつかめないほど何も知らない
ただ泳いでいくことにだけ 価値を見いだすように とりあえずできることだけを
何かのためになるようにと
誰かのためになるようにと
小さな一歩に
思いをあずけて
いくつもの
海を渡る
潜水艦からの眺め
それがこの景色
色んな気持ちが
見えてるように浮かぶ
悲しみや喜びさえ血を見るようにリアル
痛みさえ確かに伝わる だから見えないものさえ形を成す。