詩人:どるとる | [投票][編集] |
飴色の空の下
冷たい風に吹かれ
君は自転車転がし
家へと向かい
さみしささえ
引きずって
君は涙押し殺し
何も言わない
夕暮れ帰り道
少しずつ描き足されていく景色
だいだい色の空に
白い絵の具垂らして
君はそっと笑うんだ
悲しみのあとには虹が出る
ただそういつまでも信じていたいよ
悲しいこと
嬉しいこと
繰り返す日々の中
いつの間にか
嘘をついていた
悲しいのに
笑っている
そんな自分がいるよ
鏡に映したように
同じ人ばかりだ
夕暮れ帰り道
家路はなんだか
いつもより遠くて
思わず悲しくなる
黄昏てしまうよ
悲しいこと
嬉しいこと
尽きない痛みは鈍く
知らないうちに
大人になろうと
無理矢理に
自分自身を
掟で縛っていたんだ
馬鹿だったね
笑ってしまうよ
夕暮れ帰り道
ひとり佇む
丘の上 見上げる空
軋みながら
回る物語 明日へ
もう、振り返らない
ただ心のまま
描かれる今日を
僕は生きる
たったそれだけのこと いつもそれが悲しかったり嬉しかったりするからね
身構えてしまうのさ
だけど荷物をそろそろおろしてもいいかな
ほら すべては
明日わかるよ
夜が 夜が 明かりを連れて気づくと あたりは真っ暗け
ああ帰ろうか
言葉もないままに
押し流されていく
今日があるよ。