詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
雨粒の一粒に
昨日の涙を重ねてみる
映画のワンシーン
よくあるシチュエーションだ
悲しい嬉しい楽しいきりもなくそれの繰り返し
僕の住む街に
今日も知らないうちに夜がやってきたのに 気づかないあいだに誰もみんな目を閉じて
ほら寂しさに背を向けて 悲しいのは嫌だよと自分の弱さまで隠してしまうんだ
カーテンの外はもう物語の端っこ
空には少しの星と瞼の裏に浮かぶは銀河鉄道の走るきれいな夜
ゆっくり ゆったり
流れていくこの夜は
愛に満ちた幸せをはらんで
僕の声君の声 ほんの小さな不安でさえ
包み込んで 時のかけらを 拾い集めて
笑う人の傍ら
僕も笑うのさ
声も出ぬほどに悲しい世界 だけれどたまに出会う喜び
ドアの外は 明けていく夜 浮かぶ涙に 登る朝日 ゆらりゆらゆら揺れる陽射しの中
今だけは許されている気がするこの心はスローモーション
開け放された時間が流れ込む 今日は心なしか世界が優しい
今だけは愛されている気がする この心はスローモーション。