詩人:どるとる | [投票][編集] |
その命の旅を終えて
いつか無に還るとき
僕は笑っているかな
さよならが辺りで聞こえてる夕暮れ
気づくともう街の向こうは夕餉の支度
悲しみも喜びもひとつに束ねて
振り返らずただまっすぐに終わりまでまっしぐら
最後くらいは笑おう
涙はしまっておこう
たやすく投げ出せる命なら最初から咲かない
降り止まぬ雨ならば
濡れながら行こうか
傘など必要ないのさ
雨の中でも強く咲く花のように
僕も生きるから
その夢から覚めたら
やがて記憶も消えて
君のことも忘れてしまうかな
別れを交わす手を振る帰り道
気づけばもう空の向こうは夕闇迫る頃
ただいまとおかえりが聞こえている
お腹がすいたよと子供が家族の中へ帰ってく姿浮かぶ
立ち止まらず行こう
唇噛みしめて行こう
たやすく諦められる夢なら最初から見ない
癒えない傷跡なら
背負ったまま行こう
慰めなど必要ないさ
闇の中にも輝く光のように
僕は生きるから。