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どるとるの部屋


[4751] 君の影
詩人:どるとる [投票][編集]


気づけばそこにいて
気づくともういない
大事な人もそれ以外の人も影さえ残さず
消えてしまう

肝心なときにいない
いてほしいときにいない
さみしさはこの胸をしめつけて流すつもりもない涙を誘うよ

眠れない夜もぼんやりした朝も
ひとりきりの食卓も 片づかない現実も
まだ見ぬ夢も 見つからぬさみしさの出口にも君の影が揺れる

部屋の隅っこ 面影だけがそこにある
泣きながら笑いながら 僕は暮らすけど

避けられない孤独に
受け流せない雨に
この身は冷やされて
世界が途端に滲んでく

忘れられるものなら
今すぐ忘れたい
忘れられるくらいなら
とうに忘れてる

けれど忘れてしまうにはあまりに惜しい思い出だ

全く厄介なものを残していったな
死ぬまで忘れられない
拭い去れないあの笑顔

今も揺れる君の影
見守るような君の影。

2013/02/16 (Sat)

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