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どるとるの部屋


[481] 生きているという景色
詩人:どるとる [投票][編集]


どこにでもあるただの夜に部屋の窓を開ければ
そこにはとてもありふれている真ん丸い月がある
でもどこか特別な景色さ
生きていられるからこそ見られる景色さ
どんな景色も

今この瞬間を…

あの真ん丸い月の輝きを浴びながら
僕は今夜もまたひとつ生き延びたよ
今 生きている
明日も生きている
そんな実感をただ感じれるだけで目の前にあるどんな他愛ない景色さえ特別なものになるんだな

それはね
とてもありふれた景色
だけれど特別な景色
生きている人にしか見ることが許されない特別な景色
生きている人には当たり前でも考えてみれば特別な景色

ほら 今夜もまた
たとえばあの月が僕の存在を証明してる
月があるから僕がいる
だから明日も生きてる
存在が曖昧になったなら月を眺めよう
きっと消えかけていた存在はまた鮮やかに光り出す 君の中で

それが そうだよ
ごらんなさい、生きているという景色だ

そう 君は生きてる
今日も確かに生きていた
大丈夫だ 僕はここにいる
いつでもつぶやくんだ
いつか噂みたいな根も葉もない存在になっても繰り返す今この瞬間だけ確かな存在であればいい
目の前に広がる景色はそれだけで特別になるのだから

僕は生きてる…
明日も生きてる…
ずっと生きてる…
このまま
何も変わらず
この場所で
月を見ては
自分の存在を確かめて
今という場所に足跡を残し夢から覚めた明日という場所で昨日残した足跡を見て
また存在を確かめるよ

大丈夫だ
僕はちゃんと存在している
ほかの誰でもない
世界でひとりの僕はここにいる
誰がなんて言ったってそれをかき消すことはできない
僕はここにいるから
その理はいつまでも変わらないから
永遠に僕は。

2009/11/13 (Fri)

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