詩人:どるとる | [投票][編集] |
この街並みの景色は人の心をありのまま映し出している
醜さやずるさまでも余すこともなく 街はその姿形をとらえている
僕らが嘘をつけば 街並みも どこか
よそよそしい他人のように 見える
百年余りの ちっぽけな ショウトフィルムのように
回り続ける くだらない映画の中の物語
続いていくのさ 命のテープが 巻き取られてゆくよ
いつか見たような 海岸で君は笑ってた
僕は大切な何かを 失くした
この世界のすべてを知ったような 気になってた
硝子に映った自身の姿は 汚く荒んでその目は淀んでいた
僕らに残されたものがあるのならば
その何かを これから光に変えて
いつか終わってしまう エンドロールに見送られ
流れ続けるスタッフロールはむなしく
奈落の闇へと消えてゆく 誰もいない映画館の中に
取り残されてる僕と君の影が揺れてる
思い出の中で君はまだ僕を愛してる
百年余りの ちっぽけな ショウトフィルムのように
回り続ける くだらない映画の中の物語
続いていくのさ 命のテープが 巻き取られてゆくよ
いつか見たような 海岸で君は笑ってた
僕は大切な何かを 失くした
僕はそっと映画館を出る
公開されない あすという映画を作りに。