詩人:どるとる | [投票][編集] |
目に見える傷跡ならば時間が経てば
すぐに何事もなかったように消えてしまうだろう
だけど目に見えない傷跡は いくら時間が経っても消えてはくれません
人は誰も傷跡を抱えながら 生きている
そんな当たり前を鼻で笑うなら おまえの心は性根から腐ってる
誰かのせいにしたいよ
時代のせいにしたいよ
でも悪いのはほかの誰でもない僕だ
今見えない傷跡が
ゆっくりと口をあけて ひらいてゆく
そこから流れ出すのは血ではなく優しさだ
傷跡にしみてゆくあたたかいその優しさは薬の代わりになって 痛みを和らげてくれる
「大丈夫だよ」聞こえる声が 何よりの希望なんだ
どうだっていい記憶はいつまで経っても忘れないのに
大切な記憶はすぐに忘れてしまう
思い出に焼きついたあの記憶が 今も僕を苦しめているんだ
神様はいるだろうか
そっと誰かの頬を流れた涙がぽつりと
心を濡らすと 世界はにじんで見える
そこに希望は見えなかったんだ
逃げ出したいけど逃げ出せないよ
立ち向かいたいのに動けない
そんな弱い自分に打ち勝てる自分になりたい
今見えない傷跡に一粒優しさが染み渡って
だんだん消えていく 見えなくなっていく
優しい雨が僕の頬にこぼれたそのとき優しい人は一緒に泣いていた
「私が一緒にいるよ」あなたに僕は愛されているんだ
生きること その喜び その尊さを知るには 誰かの優しさに触れなければわからない
ほら誰だってひとりは寂しい 手を伸ばす先にある光に触れて今もう一度生きよう
今見えない傷跡が
ゆっくりと口をあけて ひらいてゆく
そこから流れ出すのは血ではなく優しさだ
傷跡にしみてゆくあたたかいその優しさは薬の代わりになって 痛みを和らげてくれる
「大丈夫だよ」聞こえる声が 何よりの希望なんだ
あなたがここにいてくれることが何よりの希望なんだ。