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どるとるの部屋


[5245] さよならの味
詩人:どるとる [投票][編集]


店名のないレストランがあった
店先にはただ「さよなら」と書かれてた

僕はコックにすすめられるまま
席に着くと、メニューの中から
失恋という大皿を頼んだ

さよならの味はどう? 少し塩辛い
そんなこと言ってる場合じゃないのに

さよならの味が口いっぱいに広がる
同席したあなたは他人のふりをするんだ

そして僕らは失恋という大皿を
平らげたら もう会話もなく
割り勘で 別々の明日へ向かうのさ。

2014/04/25 (Fri)

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