詩人:どるとる | [投票][編集] |
昔近所に住んでたあのコと日が暮れるまで手を泥だらけにしてつくった泥ダンゴ
遊び終わったら再び土に戻す
僕の過去も泥ダンゴみたいにつぶれた
記憶はプリンみたいにすぐに崩れてしまう
氷が水になるように溶けて消えてしまう
大切だと思う記憶から順に
そんな夢
泥ダンゴをまたつくろう
忘れたこと思い出すために
公園に行こう
スーツが汚れてもかまわない
それよりずっと恥ずかしい子どもたちの真ん中で泥遊び
大の大人が必死で
変な目で見られることも気にしないで泥遊び
今 やっと思い出したよ 大切なこと
周りのいやな静けさはただひとり残されたはぐれ雲みたいな僕だけ夕暮れの下
オレンジ色に染まったほおをあたたかい涙が流れた こぼれた
明日もまた僕は大人なふりして中身はまだぜんぜん子どもで
それがどんなに幸せなことかわかった今日
ネクタイ締めてたって本当に大切なもの姿形じゃない心の幼さ 捨てずにいて良かった
何もかも大人になってしまったらさびしいからせめて中身はめちゃくちゃ幼くても大げさな話いいんだよ
涙が出るくらい
今日 教わった
昔の僕とそして名前を思い出せないかわいいあのコに
台所手を洗いながら微笑んだ。