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どるとるの部屋


[5355] シアター
詩人:どるとる [投票][編集]


浮かんでは消えていく記憶の中に
ふと紛れ込むのは無数の場面

それはまるで いつか見た夢の続きのような景色

燃えるように赤く染まってる空見上げながら僕は 何かを想い出すように目を閉じた

美しい想像は やがて静かに幕を降ろして
何事も無かったように片づいてしまう

瞳のスクリーンが映し出すのは あの日抱いた小さな恋心

悲しみと喜びが一同に集まった 魔法のシアター

明けては暮れてゆく時のメリーゴーランド
回り続ける時計は 誰の味方もしない

ああ 何ひとつ出来ないけど 僕はけして後悔はしない

一人、自転車漕ぎ出して 瞼の裏の原風景の中を 旅する旅人になってなくし物探しにゆくんだ

瑠璃色の想像 僕の胸の中広がって
あの日のさよならを優しく包み込む

手を振った夕暮れ 僕はあなたを好きになって良かったよ

その先へ僕を連れて行く 勇気くれる
魔法のシアター

君の背中が遠ざかって見えなくなったあとも
いつまでも手を振っていた僕がそこにいた

僕はあの日の僕と 今ひとつになれた

美しい想像は やがて静かに幕を降ろして
何事も無かったように片づいてしまう

瞳のスクリーンが映し出すのは あの日抱いた小さな恋心

悲しみと喜びが一同に集まった 魔法のシアター。

2014/05/15 (Thu)

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