詩人:どるとる | [投票][編集] |
本当のことなんて
何ひとつ無いこの世界で
僕は絶えず何かに騙されている
惑わされている 拐かされている
嘘ばかりの この世界で何かを信じるのは
ひどく難解で ひどく恐怖で
僕らは 疑うことなら得意だけれど
信じることは下手くそなんだよ
人に愛されることも人を愛することも
闇の中で 滑稽なダンスをしているのは
ピエロの顔をした素顔を隠した僕らだ
夜の帳が降りて 朝が舞台を照らしたら
もう何も不思議なことなど無くなって
ただつまらない常識が世界を牛耳る
唯一の真実を指し示す神様が投げた賽子の目が選ぶ未来の行く末
春画の中にある 淫靡さよ 狂おしい愛は叫ぶ
両手を皿にして 命の泉からすくうのは
新しい産声
もう夜は明けたよ
出ておいで
とびきりの笑顔で
抱きしめてあげるから
もう 嘘は必要ないね
絶対なんてない
でも確かに 伝わるぬくもりが
心にまで施した化粧を落として
今、僕は誰よりも本当の心で
君を愛すんだ
世界を愛すんだ。