詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の傷跡ごと 愛してくれないかなあ
僕を愛しているというならば
僕の弱さや 脆さまでも抱きしめて
ほかの人と変わらないまなざしをくれないかなあ
ふいに迷い込んだ
道なき けものみち
僕は僕であることをいつからかやめていた
本当に 本当に 僕を愛しているのなら
生まれもっての傷跡なんて気にしないで
嘘みたいに 夢みたいに
その体に流れている血のあたたかさを教えてくれないかな
僕も愛されることが出来るってわかりたいから
あなたに愛されることがどんなに幸せか知りたいから
僕は足がないよ 生まれつき目が見えない
耳が聴こえない 歩くことが出来ない
そんな人たちを指差して嘲笑うなら
その人は人とはもはや呼べないなあ
名乗ることもおこがましい
誰かの背負ってる傷跡を見たのなら 黙ってその傷跡に寄り添いなさい
自分のことを人だと名乗りたければ
人らしく 心を見つめて 傷ついた人のそばに立ってごらん
嘘みたいな 夢みたいな
あったかい涙が流れたら 少しだけ人の痛みが見えるよ
僕も誰かのためになれるって気づかせてくれよ
生まれたことを心から良かったと思い知りたいから
かみしめたのは 生きていることへの喜び
なんてありきたりなんだろう でもそんな当たり前なことがいつも大切なんだろう
だから僕は道をそれる
隠した自分自身を見つけだすために独り
本当に 本当に 僕を愛しているのなら
生まれもっての傷跡なんて気にしないで
嘘みたいに 夢みたいに
その体に流れている血のあたたかさを教えてくれないかな
僕も愛されることが出来るってわかりたいから
あなたに愛されることがどんなに幸せか知りたいから
生きていることがどんなに ありがたいか知りたいから。