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どるとるの部屋


[5631] 透明
詩人:どるとる [投票][編集]


愛してるなんて柄にもなくて
僕にはあまりに似合わなくて
優しい言葉も言えず黙ったまま
月日を無駄に見送っている
たとえば喧嘩のひとつでも出来たなら
お互いの本音を分かり合えるのに

愛してるという
大好きだという
そんな当たり前さえ
まだ僕らには遠い
手の届かない憧れるだけの理想です

見えないのが愛だけど見えなさすぎると
人は 目をそらすことも出来ないんだよ
だから 目の前にあるものに八つ当たりなんかして 意味もなく泣いたりするんだ
たとえば僕の心が透明のように君の心もまた透明だから

愛というものがわからないまま
とりあえず手をつないでみる
だけどそれ以上何をすれば
いいかわからずまた押し黙る
たとえば本を読むみたいにページを捲るように
事が運べればいいのに

愛することも出来なければ傷つけることも出来ない
僕らはそこから間違ってる
手を伸ばすこともおそれている愛なら
愛など嘘でしかないから
ふれられないわけじゃないんだよ
いつでも息もあたるくらい近くにいる
でも近すぎる
君に伝えたいこと まだまだたくさんある
それさえ嘘なら 僕らの愛はお芝居さ

たとえば僕の心が君の心映す鏡なら 答えはもう見えている

僕が君を好きなように君も僕を好き
それだけで世界は如何様にも輝いてく

見えないのが愛だけど見えなさすぎると
人は 目をそらすことも出来ないんだよ
だから 目の前にあるものに八つ当たりなんかして 意味もなく泣いたりするんだ
たとえば僕の心が透明のように君の心もまた透明だから

汚すことも 傷つけることもまた愛だよ
躓くことも すれ違うこともまた愛だよ
好きな人を絶えず思うってだけで愛だよ。

2014/08/02 (Sat)

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