夜は 流れるものです夜は 漂うものです夜は 夜は 形あるものじゃないのに僕の中で 闇は次第に形になって固まる重たいドアを こじ開けて孤独を解き放つ僕は冷たいノブを回して 部屋を開け放つそこには 誰も知らない痛みがあり誰も知らない悲しみの名前を 誰かがしきりに呼んでいる「大丈夫」という言葉は 案外 身勝手な言葉です慰められた人は置いてけぼり 悲しみだけが残されたまま闇の中には どんな声も届かないのに気安い 手だけ伸ばしても意味はない。
[前頁] [どるとるの部屋] [次頁]