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どるとるの部屋


[568] すみれ
詩人:どるとる [投票][編集]


遠くに消えた君に思いを飛ばす
もう僕の街は雪が降り出しました
君の街はどうなのかな
ふいに暖炉の前 思った
小さなころよく遊んだあの空き地はもう君が越してまもなくコンビニになった

君が引っ越して電話しなかったのは
なんか君の声を聞くと会いたくなるからで

お母さんがよく僕にあの子から電話来たわよなんて言っても隠れて電話に出なかった
今さら後悔したよ
はじめての恋だったのに

君を好きだったあのころの僕はもういないよ
だけれどなぜかな
今になって心が熱く燃えている

あの星よりも遠い君を星なんか無視してイメージしてしまう
そんな気持ちの難しいところがほら垣間見えたね

君があの日言った
さよならの言葉が
今も胸を焼くよ
僕はあの日
嫌で嫌で泣いたんだったね
離れていく手をお母さんが無理やり離してしまったのを怒ったね
それなのにごめんね
君も僕を好きだったのかな

だけれどあの日は子供だったからただ恥ずかしさと申し訳なさに何もできなかった

今 もし 僕が君に言える言葉があるとしたら
許されるなら言いたいよ
ただただごめんなさいと

初恋の君へ
名前のとおりスミレみたいにかわいい君を傷つけてしまってなんて僕はバカな奴だったんだろう

暖炉の燃える火の中 暖炉の中で音を立てて焼け黒ずんだ薪のように僕の心は
思い出は僕には残酷すぎてもう消してしまいたいほどさ

でも

すみれ…愛してたよ

あの日の夕暮れ
遠ざかる君を乗せた車が消えてもずっとずっと手を振っていた
僕を思い出したら
ああ どうしようもなく
涙が止まらない

すみれ
この世界に生まれて
はじめて恋をした人
最愛の人さ

もう そんな気持ちさえ僕にはおこがましいね

なんて昔話をひとり語っても。

2009/11/23 (Mon)

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