詩人:どるとる | [投票][編集] |
静かに目を閉じてごらん 何かがやがて見えてくる
静かに耳をふさいでごらん 何かがやがて聴こえてくる
見えないその暗闇に差す光や
聴こえぬその無音を埋める音
ゆっくり探していこう
悲しいことも 悲しいと思わなければ
悲しいことなんてこの世界にはひとつもない
うれしいことには変わらないけれど
せめてその悲しみを見えないと強がる誰かのいじらしさが
明日の空を晴れ渡らせたら 素敵だ
だから哀しいことなんて何もない
厳かにこの世界をとらえてごらん 少しは痛みもひくだろう
甘く見るみたいに
少し見くびってごらん 楽になれるから
神経が張り詰めたままじゃわからない
気付かないような小さな違い
五感にだけ伝わる
愛さえ信じられない 冷えきった心が 本当に見つめていたいもの それは何だ
この手をつかむ やわらかな誰かの右手が 既成の概念を「それだけじゃないよ」と覆した
その一言は僕の世界を見違えさせた
だから 哀しむことなんて何もない
昨日が今日にそして今日が明日になるだけの話
たったそれだけのこと 思えば 簡単なことなのに今まで何を悲しがっていたんだろう わからない
でもまだ
悲しいことも 悲しいと思わなければ
悲しいことなんてこの世界にはひとつもない
うれしいことには変わらないけれど
せめてその悲しみを見えないと強がる誰かのいじらしさが
明日の空を晴れ渡らせたら 素敵だ
だから哀しいことなんて何もない
そういうことにしておくよ
君が笑うから 君が笑うから。