僕は 梅雨を 脱ぎ捨てて 雨粒 パラッとはらって夏から少し はみ出る秋の色が混ざる8月の終わり ため息のような雷が鳴る電車の窓から見えた 月がぼんやり行く宛てを探すように さまよってた夜ただ 景色の中に 色鮮やかに 咲いたあじさいの花 こんな情けない僕を笑ってくれるかい痛いくらいの優しさに 僕は途端に夕立のように泣き出して帰り道 心は泡になる。
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