詩人:どるとる | [投票][編集] |
あなたのその翼はなんのためにあるの?
明日へと一歩ずつ向かうためにあるんだろう?
果てしない旅の中
その途中で
時々ふいに消えてしまいたくなる時がある
だけれどそのたびに僕はいつも思うのさ
今消えたら明日の幸せや今まで頑張ってきた日々は水の泡だと
いつまでも
いつまででも
飛ばないなら
翼はもう必要ないね
だけれど僕は
夢だとか理想だとかどうでもいいのさ
ただ明日があればねきっとどうにかなるからと傷だらけの翼かばいながらひとり歩いてゆくよ
宛ても希望もないまま
風に吹かれて旅をする
古びたカバンの中には
プライドと小さな強がりを詰め込んで
翼を開く そんな勇気は多分ないだろう
だけれど明日はかならず来るから
不器用でも下手くそでも愚かでも歩いてゆくのさ 明日へ
どんなに悲しくても自分で決めた道の上
今日も風に吹かれながら口笛を吹いて
僕は傷だらけの翼かばいながらひとり歩き続ける 旅から旅へとせわしく行き交う 旅烏
どこまででも
どこまででも
飛んでゆくつもりさ
命が燃え尽きるまで
幸せというものを見失ってしまったよ
僕の中にはそれらしいものはない
それでも強く強く進む
傷だらけの翼かばいながら 旅烏は旅から旅へとその足を移す
飛べなくたって立派な翼だ ほらかっこいいだろう。