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どるとるの部屋


[5710] くらげ
詩人:どるとる [投票][編集]


残業終わり 電車に乗り僕は改札を出る
人気のない道 静かすぎて
まるで深い海の中 まるで宇宙の闇の中
僕の心臓の音だけがいつまでもあとからついてくる

たった 独りぼっちで闇の中に浮かぶ
月は 寂しくないのかな 心細くないのかな
なんとなく話しかけてみる 帰り道
なぜだか泣きたくなる 心の琴線に触れた

殺風景の部屋 積み上げられた思い出は
今や何の意味もなさない
まるで 忘れ去られた名も知らぬ無人駅
寂しさだけは僕を裏切らず 僕を寂しくさせる

たった 一度だけの時間の中漂う
くらげのよう 純粋過ぎる目には毒だよ
この世界の意地汚さは目に余るものがある 僕の心もだんだん汚れてく

たった 独りぼっちで闇の中に浮かぶ
月は 寂しくないのかな 心細くないのかな
なんとなく話しかけてみる 帰り道
なぜだか泣きたくなる 心の琴線に触れた

手を伸ばせば 指先にチクリと 刺さる
痺れるような 感覚
それだけで十分生きていると 強く印象づける。

2014/08/17 (Sun)

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