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どるとるの部屋


[5732] 今日も雨
詩人:どるとる [投票][編集]


雨が 降っている街並みはなぜか寂しげで
どこかいつもより暗く 沈んでいる
そんなふうに見える

誰もが急ぎ足で どこへ向かうんだろう
すれ違いざま肩がぶつかってもお互いに振り返りもせずにただ先を急ぐよ

雨降る日には 涙を流すのにちょうどいい

雨が都合のいいすべてを流してくれるから 誰にも見えない涙が 人知れず誰かのほほを伝っても誰も気づかず

いくつもの傷跡の前を 素通りするように過ぎていく

明日は晴れと告げた天気予報はひどい嘘つきだ 今日もあいにく雨だ 傘を忘れた僕は濡れて帰る

何をそんなに急いでいるんだろう
時間ならたっぷりあるのになあ
流されるように 人波に もまれて 行き着いた知らない駅

人いきれの街は 今日も無愛想な顔をして

僕たちのつつましい努力を笑ってる 焦れば焦るほどに僕らは滑稽な道化師だ
せいぜい人に笑われるのがお似合いで

本音を隠したままの心が表情とは裏腹に泣いている

今日も雨はやまない

雨降る日には 涙を流すのにちょうどいい

雨が都合のいいすべてを流してくれるから 誰にも見えない涙が 人知れず誰かのほほを伝っても誰も気づかず

いくつもの傷跡の前を 素通りするように過ぎていく。

2014/08/23 (Sat)

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