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どるとるの部屋


[5891] 最後まで走りきるランナー
詩人:どるとる [投票][編集]


もう負けないよ
いつの日か誓ったんだ
あの頃、僕がまだ幼かったとき
駆けっこで一等賞をとろうとして
それ以外は目にもくれなくて
大切なものが見えなかったんだ
大切なものは結果じゃなくどれだけ頑張ったかなのに
結果ばかりに惑わされ過程なんて見えなかったよ

僕は一番になったのに 最下位を走る人がなんだか
一番をとった自分より輝いて見えたんだ
僕がとりたかったのは
たくさんの人の中での一番じゃなく自分の中での一番だったんだ
たとえもう一番になれなくても最後まで走りきる ランナーはとてもかっこいいんだ

指にマメが出来るほど練習繰り返した
あの夕暮れの公園で逆上がりした
僕は何度も失敗をしてたっけ
何度やっても出来なくて
悔し涙をのんだんだ
自転車にもなかなか乗れなかったよ でも誰かが
背中を押してくれたからここまで僕は走ってこれた

僕はなにが欲しかったんだろう
一番になっても多分満たされないよ
でも最後までやりきることが出来れば
僕が待っていたのは
誰かからの拍手じゃなく 誉め言葉じゃなく
自分自身に 認めさせるような 揺るぎない自信ひとつだった

たとえ もう叶わない夢でも またいちから追いかけて
走り出す僕の心にはもう迷いはない

僕は一番になったのに 最下位を走る人がなんだか
一番をとった自分より輝いて見えたんだ
僕がとりたかったのは
たくさんの人の中での一番じゃなく自分の中での一番だったんだ
たとえもう一番になれなくても最後まで走りきる ランナーはとてもかっこいいんだ。

2014/10/26 (Sun)

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