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どるとるの部屋


[600] 羊雲
詩人:どるとる [投票][編集]


僕の寝ぼけ眼の中 はじけ散る光 そのひとつひとつが僕の欠片
僕は水と肉の塊
でも心の中には果てしない宇宙が広がってる

ほら いくつもの
思い出が
眠ってるよ

羊雲がひとつ
空に流れている
ふわふわとしたところが羊にそっくりだね

夜の空に羊と星が戯れてる
そんな物語
そこに僕という命がある
そんな物語

どこか 不条理で
どこか 理不尽な
この世界
だけど 好きだよ
大好きとはいかなくても
僕が笑えるのは
僕が泣けるのは
この世界だけだ

涙も笑顔もすべてこの世界だよ
今 新しい朝がまた僕を揺り起こす
カーテンをサッとあければまぶしい光がまたはじける
サテライト 光る 一筋の太陽光

生きている喜び
またとないドラマ
今 血の通った
時間が回り出す
あたたかな朝から

羊雲が見守る中
僕は今日も変わらず僕のまま
誰かの愛を
誰かの優しさを
浴びながら生きてる
ほら こんなに生きてる
それがこの世界に生まれた喜び そして悲しみ
ああ君に会いに行きたい
それだけで生きてる
いいじゃないか
それもまた生きる理由だよ
君にはそれだけの価値がある
君を理由に生きてしまうほど 悲しみも飛び越えて会いに行ってしまうほどの理由があるんだ
ほら羊雲 今は 二人で眺めてる

なんて いい日だろう
今日は

魔法のように 僕の瞳の中 はっきりとした光がはじけ散った
ああ 人はね人はねいつかこの世界から消えてしまうけど
そのために生まれるわけじゃない

今 気づいたよ
遅いかな
いや 遅くない
羊雲が笑うから
太陽が輝くから
君の笑顔が光るから
僕らそれで幸せだから

今日を生きた
だから
それが明日また生きる
理由に繋がるのさ
日々はいつもそんなふうに単純に過ぎて行く

ただありふれた形を保ったまま 今も1秒が一分へ
流れは静か
されど無音で今日が死ぬ。

2009/11/28 (Sat)

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