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どるとるの部屋


[6031] 某日某所未明
詩人:どるとる [投票][編集]


歩き続けて かれこれどれくらいだろう
終わりのない闇の中を歩き出してから
今日どのくらいの人が生まれても
明日どのくらいの人がくたばっても
ただ僕らはそんなことにさえ
気づかずにたくさんの産声や涙のそばを通り過ぎてく

それは僕にしたって同じだって気づいたよ
影ひとつ残さず 消えてしまえば
せめて 花びらひとつ残っていれば
誰かの心の中に いつまでも生きていられるのに

それは某日某所未明の出来事でした
丁寧な口調でニュース原稿を読み上げる
今日どのくらいの人が笑っていても
明日どのくらいの人が泣くとしても
戦争のない国では 退屈紛れに
いじめに走る病んだ子供たちや我が子に虐待する母親が

偽りの平和の世界の中で 正しさなどと鼻で笑う
悪魔のような顔した子供は 命を足蹴にする
それは張りぼてのおとぎの国の物語
見せかけだけの夢の国

それは僕にしたって同じだって気づいたよ
影ひとつ残さず 消えてしまえば
せめて 花びらひとつ残っていれば
誰かの心の中に いつまでも生きていられるのに。

2015/02/02 (Mon)

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