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どるとるの部屋


[6037] ビードロ
詩人:どるとる [投票][編集]


傷ついたその心にそっと伸ばした僕の右手は
あなたのところまで届いているかな
時々すべてがわからなくなってしまう
この世界は全部 最初から まるで夢のようだから
大切な人が また一人 また一人 増えていくのに
それを引き換えにするように 誰かが消えてしまうのは
誰のせいにも出来ない 風のいたずら

きらめくように ただ笑っていて せめて
この命が 限りあるものならば どうにもならない悲しみを
とかすように ずっと そばにいて 日ごとに 生きれる時間が 削られていくなら ビードロのように
儚いその一瞬さえ光り輝いて

鏡に映る あなたの姿が 泣いてるのなら
何もかも放り出して 船を漕いで行こう
時々 雨が ほっぺたに川をつくるから
無理はしないで 立ち止まるのも わるくはないさ
かけがえのない思い出は心に刻まれる
だけど きのう いたはずのあの人も時の流れには逆らえずに
いつか その時が来たら さよならの向こう

ささやくように ただ 生きていければ
きっと今日笑えなくても明日には 疲れるくらい笑ってる
揺れるように ほら 移り変わる景色
歩き出さなくても 旅しているみたいだ
永遠に見失わない光を閉じ込めて
一瞬一瞬を 瞼に焼きつけて

朝の扉が開ければ 夜の扉は閉まる
きのうと今日はすれ違いながら どこかでひとつに重なりつながる
まるでそれは片時も目の離せない出会い

きらめくように ただ笑っていて せめて
この命が 限りあるものならば どうにもならない悲しみを
とかすように ずっと そばにいて 日ごとに 生きれる時間が 削られていくなら ビードロのように
儚いその一瞬さえ光り輝いて。

2015/02/07 (Sat)

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