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どるとるの部屋


[6049] とある物語の終末思想について
詩人:どるとる [投票][編集]


それはまるで思い出の中に 咲いた花
それはまるで瞼の裏に広がる小宇宙

読みかけのままで放り投げた本の続き
その向こうにあったはずの知らない世界

光と戯れながら 影はゆらゆら揺れて
きのうまでの悲しみをそっと指でなぞる

忘れられた いくつかの記憶とその片隅に
ひそやかに たたずむうすぼんやりとした

真っ白な画用紙の隅っこでのたうち回る死にぞこないの夢

すべてのはじまりからすべてのさよならまで

味わって 飲み干して 余韻まで たのしんだら

あとはただ 骨になって 灰になって

跡形もなくなって

僕の世界はもう

僕のものじゃない

君の世界は もう

君のものじゃない

そして 誰のものでもなくなった世界は

いつまでもただそこにあるだけ。

2015/02/09 (Mon)

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