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どるとるの部屋


[6089] 優しさという杖
詩人:どるとる [投票][編集]


目を閉じてしまえば
もう通り過ぎた出来事だね
もう痛みさえもここにはひとつすら残ってない
ああ 今日もいろんなものから目をそらしてるうちに今日が終わる
そしていつの間にか日は暮れる

走るのがばかばかしくなってしまった僕は
立ち止まって 少しだけ泣いてたんだ
それくらい許してね 傷跡に涙がしみてく
なぜだろう誰かに優しくされたら
誰かに 優しくしたくなる
優しさを知らない僕よりも少しだけ 今の僕は世界が好きになっていた

熱を帯びたように
熱く火照った体 湯に浸けて
冷えた足先はじんわりと熱を伝える
ああ 嘘をついたぶんだけ 自分の存在が曖昧になっていく
元々あやふやな輪郭がぼやけてしまう

笑うことさえ どうすればいいのか
わからない僕は目を伏せて 人を避けるように生きた
寂しさは 自分のせいさ でも寂しいよ
なぜだろうあなたがくれる優しさは
倒れそうになる僕を支える為の杖のよう
しっかりと僕の全身を心ごと支えてくれる沢山の手が僕に生きろと言っている

優しさは持て余すくらいに あったほうがいい
優しさを知らないと言う人たちはなにを支えに生きているのだろう
人は必ず誰かの支えがあって生きている
それを否定するのはあなたがひとりで歩けていない証だよ
優しさという杖を失ったら途端に倒れてしまう

なぜだろう誰かに優しくされたら
誰かに 優しくしたくなる
優しさを知らない僕よりも少しだけ 今の僕は世界が好きになっていた。

2015/02/20 (Fri)

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