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どるとるの部屋


[6111] 補助輪
詩人:どるとる [投票][編集]


ぽつりぽつり 明かりが灯ったら
僕はいつものこの道をたどってゆく

帰り道はいつもなぜか切なげで
大切なはずの命さえ重荷になる

どうして 生きているのかな
わからないよ 悲しいくらい
人は わけもなく生きている

ダメかもしれない 出来ることより
出来ないことのほうが多いくらいで

挫けてしまうよ 諦めたりするよ
夕暮れは優しく 胸の隙間を照らして

自分を慰める言葉も見つからない
答えのない 問いかけばかり繰り返す

雨の気配に気づいた僕は逃げ腰で
すぐに屋根に隠れて猫のように丸まった

どうして 笑ってしまうのかな
わからないよ 悲しいときほど
強がって 平気なふりしてる

補助輪が外せない 子供のよう
転ぶのが恐くて 保険をかけてる

都合のいいときだけ大人にならないで
大人なら 自分の責任で間違えてみろ

ふと 忘れたように取り残されてる公園の砂場のバケツとスコップ
思い出したように ブランコが軋みながら揺れる

ダメかもしれない 出来ることより
出来ないことのほうが多いくらいで

挫けてしまうよ 諦めたりするよ
夕暮れは優しく 胸の隙間を照らして

心に備え付けられた補助輪を外して
無防備になったら 少しは強くなれるかな

下手くそだっていい 小細工なしで生きてみろ 転んだって平気さ 大丈夫

そのまま風になれ。

2015/03/06 (Fri)

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